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常識の違いから気づく【異文化理解の重要性】『我慢は美徳?』『忍耐の忍は心に刃?』

異文化理解
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日本人の多くの人は【我慢は美徳】と考えていると思います。かくいう私も幼い頃、親から「我慢しなさい」と言われてきました。我慢できる人は偉くて、我慢できない人はダメ人間なのでしょうか?

世界レベルでみても【我慢しすぎな日本人】。こんなに素敵な日本に住んでいながら日本人の幸福度はかなり低く2022度発表でも54位でした。

日本人以外の方とお話しする時に、この【我慢】という言葉の持つ意味を考えさせられることがよくあります。

今回は、この【我慢】の意味をいろいろな角度から考え、これからのグローバル化する日本でも【我慢は美徳】かどうかのヒントをお伝えします。

・外国の方とのトラブルに悩まされている方は解決の糸口がみつかる。
・我慢をして頑張っている方は心が少し軽くなる。
・英語を使って世界の人とコミュニケーションを楽しみたい方が、正しい我慢の方向性に気づく。

英語を使ってコミュニケーションを楽しむ人たちが、もっと暮らしやすい日本になる。そして国際社会のなかでより魅力的な日本になれる気がします。異文化を理解する能力が重要なカギになってくるでしょう。

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世界幸福度ランキング

まずは、2022年3月18日に公開された世界幸福度ランキングをみてみましょう。「World Happiness Report 2022」からすべての国の順位と、前年順位を見てみよう。※こちらから『ELEMINIST』引用しています。

順位国名前年順位
1位フィンランド1位
2位デンマーク2位
3位アイスランド4位
4位スイス3位
5位オランダ5位
6位ルクセンブルク※8位
7位スウェーデン7位
8位ノルウェー6位
9位イスラエル12位
10位ニュージーランド9位
11位オーストリア10位
12位オーストラリア11位
13位アイルランド15位
14位ドイツ13位
15位カナダ14位
16位米国19位
17位イギリス17位
18位チェコ18位
19位ベルギー20位
20位フランス21位
21位バーレーン22位
22位スロベニア29位
23位コスタリカ16位
24位アラブ首長国連邦25位
25位サウジアラビア26位
26位台湾24位
27位シンガポール32位
28位ルーマニア46位
29位スペイン27位
30位ウルグアイ31位
31位イタリア28位
32位コソボ33位
33位マルタ23位
34位リトアニア38位
35位スロバキア34位
36位エストニア40位
37位パナマ41位
38位ブラジル35位
39位グアテマラ※30位
40位カザフスタン45位
41位キプロス39位
42位ラトビア51位
43位セルビア48位
44位チリ43位
45位ニカラグア55位
46位メキシコ36位
47位クロアチア60位
48位ポーランド44位
49位エルサルバドル49位
50位クウェート※47位
51位ハンガリー53位
52位モーリシャス50位
53位ウズベキスタン42位
54位日本56位↖2ランクアップしたね
55位ホンジュラス59位
56位ポルトガル58位
57位アルゼンチン57位
58位ギリシャ68位
59位大韓民国62位
60位フィリピン61位
61位タイ54位
62位モルドバ65位
63位ジャマイカ37位
64位キルギス67位
65位ベラルーシ※75位
66位コロンビア52位
67位ボスニアヘルツェゴビナ64位
68位モンゴル70位
69位ドミニカ共和国73位
70位マレーシア81位
71位ボリビア69位
72位中国84位
73位パラグアイ71位
74位ペルー63位
75位モンテネグロ72位
76位エクアドル66位
77位ベトナム79位
78位トルクメニスタン※97位
80位ロシア76位
81位香港77位
82位アルメニア86位
83位タジキスタン78位
84位ネパール87位
85位ブルガリア88位
86位リビア※80位
87位インドネシア82位
88位コートジボワール85位
89位北マケドニア94位
90位アルバニア93位
91位南アフリカ103位
92位アゼルバイジャン※90位
93位ガンビア※98位
94位バングラデシュ101位
95位ラオス100位
96位アルジェリア109位
97位リベリア※120位
98位ウクライナ110位
99位コンゴ83位
100位モロッコ106位
101位モザンビーク115位
102位カメルーン91位
103位セネガル92位
104位ニジェール※96位
105位ジョージア108位
106位ガボン112位
107位イラク111位
108位ベネズエラ107位
109位ギニア102位
110位イラン118位
111位ガーナ95位
112位トルコ104位
113位ブルキナファソ113位
114位カンボジア114位
115位ベナン99位
116位コモロ※131位
117位ウガンダ119位
118位ナイジェリア116位
119位ケニア121位
120位チュニジア122位
121位パキスタン105位
122位パレスチナ※125位
123位マリ117位
124位ナミビア124位
125位エスワティニ王国※130位
126位ミャンマー126位
127位スリランカ129位
128位マダガスカル※135位
129位エジプト132位
130位チャド※128位
131位エチオピア133位
132位イエメン※141位
133位モーリタニア※134位
134位ヨルダン127位
135位トーゴ136位
136位インド139位
137位ザンビア137位
138位マラウイ144位
139位タンザニア142位
140位シエラレオネ138位
141位レソト※145位
142位ボツワナ※146位
143位ルワンダ※147位
144位ジンバブエ148位
145位レバノン123位
146位アフガニスタン149位
出典 ”World Happiness Report 2022”

こういうランキングを見た時は一概に『勝ち負け』や『正解か不正解』にこだわるのではなく、必ず下記1、2のような要素について考える必要があります。

1.ランキングされた人(対象物)の実際の印象

2.ランキングの指標(前提条件)

1.ランキングされた人(対象物)の実際の印象

これは幸いなことに実際日本人はここまでランキングが低いとは思ってはいないようですね。

世界幸福ランキングであれば10位以内だろうと思っている人が多いようです。いいことです。ではどこに伸びしろがあるのでしょう?前提条件をみてみましょう。

2.ランキングの指標(前提条件)

1.人口あたりGDP(対数)

2.社会的支援(ソーシャルサポート、困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか

3.健康寿命

4.人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)

5.寛容さ・気前の良さ(過去1か月の間にチャリティなどに寄付をしたことがあるか)

6.腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延していないか)

ウィキペディアから説明変数を引用

6つの指標でランキングされているようです。ランキング10位までと比べても1.2.3の指標は負けず劣らずで日本の評価は高いです。

しかし、5.の指標の評価が低いですね。原因はどこにあるのでしょう?

alpaca
alpaca

無意味なことを我慢しすぎたり、和を重んじる事ばかりにとらわれて他人の目を気にしすぎじゃないの。

J.W.
J.W.

alpacaさんはそういう考えなんですね。でも、それが日本人の良さではないですか?それでは、その我慢の意味を考えましょうか?

我慢の意味を考える

 耐え忍ぶこと。こらえること。辛抱。

 我意を張ること。また、そのさま。強情。

 仏語。我に執着し、我をよりどころとする心から、自分を偉いと思っておごり、他を侮ること。高慢。

goo辞書から引用

日本の人たちの間では、1.の耐え忍ぶことがかなり浸透していると思います。でも仏教的な意味では、3.自分を偉いと思っておごり、他人を侮ること。なんですね。面白い。

私たちが思っている『我慢』は『辛抱、忍耐』と置き換えられそうですね。

では、忍耐は美徳でしょうか? 次は私が実際に体験した忍耐に関してのとらえ方の違いをみてみましょう。

忍耐することのとらえ方の体験談

これは、私が海外で台湾の女の子(A)とルームシェアしていた時のお話です。我慢や忍耐のとらえ方は人によって違うことを深く考えさせられた経験でした。

登場人物3名
ルームメート Aとても人懐っこい日本大好きな裕福な台湾の女の子(日本への留学経験あり)
ルームオーナー Y日本人のお母様と、中国人のお父様から生まれたカナダ生まれのハーフ
(Yさん曰くお母様は神経質とのことで、日本人は全員神経質だと評価
しているらしい)
そしてわたし生粋の日本人。日本人のなかでは大雑把、おおらかなタイプ。
(でも基本的には、忍耐、我慢、努力、誠実、真面目のタスキをかけて
いるような性格でした。)

ルームメート Aの行動に耐えかねて、1か月後に部屋を解約したいと私が言いだした時に登場人物3人で話した内容です。

わたし:1か月後に部屋を出たい。
オーナY:いいけど、次の入居者が見つかるまで、ルームメートAが一部屋分の料金を支払ってくれるなら。
(一部屋を2人でシェアしていたので)
ルームメートA:どうして、気が狂ったの。仲良しだよね。ずっと居ればいい。(この事件以外は仲が良かった)
わたし:気は狂っていない。毎晩、夜中の2~3時にあなた宛ての国際電話で起こされる。
ルームメートA:台湾にいる飼い犬が母になつかず、母が困って電話をかけてくるって伝えたよね。
あなたは、「どうして、毎晩夜中に電話があるの?」と聞いたよね。
わたし:聞いたけれども、ただ聞いただけでなく、私も目が覚めて困っていると意味していた
ルームメートA:じゃあ。なぜ 困っているので、夜中に電話を受けるのをやめて欲しいといわなかったの?
わたし:そこまで言わなくてもわかるかなぁと思って、ダイレクトな言葉を使うのを遠慮して、我慢していた
オーナーY:そういうことね。日本人ははっきり言わずに我慢するんだよね。
だから狂ってしまうんだよ。忍耐の忍は心に刃って書くよね。我慢しすぎると心に刃が刺さって怖い人になるんだよ。

以上がその時の会話の要約。

alpaca
alpaca

衝撃でしたね。その時は。

私が悪いの? 我慢したから悪いの? 腹立つぅ!

と思っていました。でも 忍耐の忍は心に刃 なので、日本人はGo mad. というフレーズが響きましたねぇ。上手いことゆうなぁと中国人の考え方に少し感心もしました。

異文化理解を常日頃から考えていた私にとってはとても興味深い、印象的な出来事でした。

それから、さらに国籍による言葉の取り方や考え方の違い、自分の言葉を使っての表現の仕方を考えるきっかけになりました。

自分自身では日本が嫌で海外に飛び出したけど、【我慢は美徳】が染みついた傲慢なタイプの日本人でした。

では本当に、我慢すると傲慢になるのでダメなことなのでしょうか? 

我慢することの 良いこと・悪いことを考えてみましょう。

我慢することのメリット

期間を決めて我慢することで気づくことがある

例えば、嫌な仕事を1ヵ月で辞めたら、なにも気づけず嫌だったなぁという記憶しか残りませんが、『嫌だなぁ辞めよう!とりあえず1年間できる限りの経験をして辞めよう』と辞めるまでの期間を決めると残りの時間が有意義に過ごせます。そして、そこから気づけることも沢山あります。

ストレス耐性がつく

これはわかりやすいと思います。例えば、腹筋。最初は10回がとても辛くても、それを乗り越えて少しずつ回数を増やすと、気が付いたら30回余裕。どうして最初10回がきつかったかがわからないという状態になった経験がある人もいるのではないでしょうか?少しずつ適度に続けていく事で、自分自身のスキルがあがります

他の人の気持ちがわかり協調性がつく

自分自身がつらい経験を我慢して続けていると、同じような経験をしている人をみると気持ちがわかり、シンパシーを感じるようになります。優しくしくなりますね

結果として他の人と協調できるようになります。孤立や孤独を感じなくてすみます。

我慢することのデメリット

期間を決めずに我慢するとその状況に慣れてしまう

期間を決めずにただただ、そういうものだとその状況を続けていると、我慢していることも気づかないくらいそれが日常や普通のことになります。相手に対しても「これが常識でしょう!」という気持ちで接するようになります。
常識は環境によって違います。最初に自分が我慢していたことを意識することは大事です。

ストレス耐性がつきすぎて状況を冷静に判断できなくなる

もともと精神的に強い人がストレスに強くなりすぎると、弱音が吐けなくなります。人間にはどこか限界があるはずです。その限界も人それぞれです。しかしながら、限界を超えて向かう方向はみんな同じです。

限界をこえると⇒まず、身体にきます。アトピーや声がでなくなるなど体調不良になります。⇒そして、最後に心にきます。うつや、自暴自棄や人として破滅のみちをたどります。

他人の気持ちもわかるが自分の我慢を押し付けるようになる

気持ちの優しい人がストレスに強くなりすぎると、『自分さえ我慢すれば』と思うようになります。どんどん自分で、自分を大切にしなくなり、その結果として相手からも大切にされなくなる時があります。『こんなに相手のことを考えているのに』と自暴自棄になりやすいです。我慢する時は相手や状況を見極めるのが大事です。

alpaca
alpaca

状況を見極めずに、むだに我慢すると、私のように
go mad!急に気が狂ったと言われるよ。今となってはいい経験だけどね。

ハイブリッド我慢で魅力的な国

日本人が我慢強いということはとても素敵なことだと思っています。
これは、世界から見た時の日本の強みですね。日本の製品が世界で評価されているのは、やはり私たちの我慢強く妥協せずにコツコツ努力できる国民性が影響しているのは明らかです。

ただ、それを相手に押し付けるのではなく、そこにアサーティブなコミュニケーション能力をプラスするとどうでしょう。

私も含めて日本人は我慢しすぎて遠慮しすぎて気をつかうあまり、自分の気持ちや意見を言えない人が多いように思います。そのせいで相手にむしろ悪い印象を持たれることがあります。

アサーティブなコミュニケーションというのは、相手も自分も尊重し、物事をあるがままに見てそこから話し合いによって問題の解決をはかるコミュニケーションです。

かならずしも100%双方が満足する結果に終わるとは限りませんが、まずはコミュニケーションをとる。

我慢強く、努力家の日本人が、しっかり相手の目を見て自分の気持ちを伝えることができるようになれば、鬼に金棒でとても魅力的な人の出来上がりです。世界で大活躍も目の前です。

alpaca
alpaca

あ~。そうなりたいよね。なかなか近づけないけど、

今後のグローバル社会を生き抜くには大切な力だよね。

それを知っているだけでもハイブリッドな感じがするよ。

ソクラテスの『無知の知』ってやつね。

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