自己紹介の会話で「私のこと〇〇と呼んでね。」を使ったことがある人は多いのではないでしょうか?
いろいろな英語の本にも 日本人の名前。例えば ケンイチロウは短くケン(ken) としたほうが呼びやすいので、最初の挨拶で「ケンと呼んでください。」と言うといいですよ。と載っていますね。
その知識とイメージに引っ張られて、call me a taxi. って「私をタクシーと呼んでね。」??これって間違ってない?って思ってませんか?
今回は2つの文章から、第4文型と第5文型の違いを見直してみましょう。
これがしっかりわかると
- シンプルな文章が作れるようになる。
- ネイティブとの会話で聞取りミスが少なくなる。
- 英語の基本が理解できる。
- さらに高度な英文の下地ができる。
please call me J. (ジェイって呼んでね。)
Hi. J. (こんにちは。ジェイ)
please call me a taxi. (タクシーを呼んでね。)
Hi. Taxi. (こんにちは。タクシー)
??。移動したいので、タクシー呼んでほしいのですが…。
えっ。何が違うのと思った方は是非読んでくださいね。
答えはこれです
please call me a taxi. (タクシーを呼んでね。)は第4文型の、命令文です。
第4文型 S V O1 O2⇒S は O1(人) に O2(物) を V する。
例文は『~して下さい。』という命令文なので主語のYouは必要ではなく、述語動詞のcallから始まります。
第4文型をもっと深く知りたい方はこちらもどうぞ
please call me J. (ジェイって呼んでね。)は第5文型の命令文です。
第5文型 S V O C ⇒ S は O を C(に・と)Vする。
例文は『~して下さい。』という命令文なので主語のYouは必要ではなく、述語動詞のcallから始まります。
第5文型をもっと深く知りたい方はこちらもどうぞ
ポイント
1.英語は語順と型が大事!型をマスターするのが近道です。
第4文型 S V O1 O2 ⇒ S は O1(人)に O2(物)を V する。
ルール:O1 と O2 は=にはなりません。
なので、 me ≠a taxi. です。英語のルールから考えると『私はタクシー』にはなりません。
第5文型 S V O C ⇒ S は O を C(に・と)V する。
ルール:OとCは=にはなります。
なので、 me = J.です。英語のルールから考えると『私はJ』となります。
少しずつ冠詞の感覚も身に着けるとわかりやすいでしょう。
『何~』と呼んでください。の『何~』は固有名詞(特定の物の名前)なので、冠詞 The や a はつきません。
ですので、もし誰かが Call me Taxi. と言ったら「タクシーって呼んでね。」ってあり得る(タクシーさん)かもしれませんね。
でも、まずはあれこれ悩まず使ってみましょう。冠詞の感覚は実はとっても奥が深く、なかなかマスターするのはむずかしいのです。間違いながら覚えていく事がコミュニケーションの英語の近道です。
SVO(第3文型)までで、なんとなく言いたいことは伝わります。後は聞き取った相手が疑問に思うことを聞き返してくれるので、それに対してSVC(第2文型)またはSVO(第3文型)で答えていくほうが伝わりやすいです。
短いシンプルな文章でコミュニケーションを楽しみましょう。そのための言葉ですからね。
短いシンプルな言葉だと子供っぽくて簡単なことしか言えないと思っている方はこちらもどうぞ
ちょこっと経験談
ホテルで働いていた時に、カナダ人のご夫婦が宿泊されていていました。
ある日、奥様が眉間にしわを寄せて
「Could you do me a favor and call a doctor?」 とフロントでおっしゃいました。
あわて者で臆病な私は、
ドッキーン ( ゚Д゚)
ドクター〇〇さんって呼んで!って怒っているのかな。
と一瞬時が止まりました。
なぜかというと、チェックインの時に頂いた奥様のお名前が、【〇〇 〇〇, Ph. D. 】となっていて、ドクターなんだぁ。すごいな~って思っていたからです。
ドッキンとして固まっている私に、奥様が、
「主人が食べ物アレルギーで体調不良なの。近くに病院ある?」
「タクシーで病院行ったほうがいい?」と伝えてくださったので、
あっ!「お医者さん呼んでくださらない?」ってことだったのね。
と理解し気を取り直し、てきぱきと対応したことがあります。
とんだ勘違いでした。
ちなみに、海外のお客様でe-mailの署名欄に学位を記される方もいて、
例えば
山田 花子、准教授 なら
Hanako Yamada, Ph.D. となります。
そのご夫婦は奥さんだけにPh. D.がついていたので
奥様だけ、Dr.Yamadaとお呼びし、ご主人を Mr.Yamadaと呼ぶのもなんかなぁと思って、お二人とも お名前でお呼びしていていました。
でも、これでいいのだろうか? と その頃、海外の方への接客マナーに戸惑っていた私が過剰反応した失敗談でした。
パンデミック前は、本当に多くの海外の方が日本を訪れてくださっていましたね。多くの失敗もあったけど、その一つ一つが今となっては楽しい学びです。
早く、また世界中人々が出会い、コミュニケーションを楽しめるようになるといいな。その時のために、今から準備していきましょうね。
※2022年10月11日 約3年ぶりに海外の方が日本を訪れることができるようになります。
世界中の方とコミュニケーション楽しみ、素敵な体験をしていきましょう。
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